ご自宅に音楽サロン ・・・高級感溢れる都内のマンションにて。

ご自宅に音楽サロン

「サロン」とはそもそもフランス語の「客間」を語源にしますので、「ご自宅にサロン」という言い方はおかしいのかもしれません。しかし・・・「サロン(salon) フランス語で宮廷や貴族の邸宅を舞台にした社交界をサロンと呼んだ。主人(女主人である場合も多い)が、文化人、学者、作家らを招いて、知的な会話を楽しむ場であった。」-Wikipedia とありますので、今回のお部屋はまさに「ご自宅に音楽サロン」と呼んで相応しいお部屋です。

防音・音響・インテリアデザイン

今回はいつもお世話になっている設計事務所様からのご紹介で、マンション2階、約22畳のリビングルームにグランドピアノを置いて弦楽器や声楽なども楽しめる演奏室を作りたいというご依頼です。お客様を招いてちょっとした演奏会も行うとのことで、D-65以上の遮音性能と自然な響きの良さ、そして質の高いインテリアデザインを持った音楽サロンを目指しました。

工事前のお部屋です。これまでもグランドピアノがあり演奏を楽しまれていました。とくに防音工事は施工されていませんでしたが、今後は演奏会も計画されていますのでしっかりとした防音工事をご提案いたしました。

このお部屋には幅4m×高さ1.9mの大きな窓があり、この大きな開口を生かしたいというのがお客様のご希望でした。防音サッシにはサイズ的な制限がるので4mの横幅に対応するのが困難なのですが、途中に柱を入れたりするとせっかくの解放感が損なわれてしまいます。FIX窓や開き窓を併用するなど様々なパターンを検討して、1枚目の写真のように解放感を損なわない大きな開口を残すことができました。

D-65以上の防音工事

D-65以上の遮音性能を持つ防音室を作るためには、まず既存の床、壁、天井を解体してスケルトンの状態にします。そこから躯体に触れないように浮いた遮音区画を作っていきます。天井には換気の配管やエアコンのダクトが入っています。これらからも音が漏れていかないように防音を施していきます。

ダクトや消音器具などでできた梁の間には、斜め天井を設置して音を拡散させて室内に自然な響きをもたらします。この下にピアノが置かれステージになります。

Salon完成

全体は白の塗装で仕上げ、床フローリングはチェリー。壁の約1/2にはリブをランダムに配置して自然な音の響きを目指しました。照明はスポットライトと小型シーリングライトをベースとして、以前からお使いのシャンデリアをアクセントとして配置いたしました。

ときにはサロンコンサート、ときにはレッスンルーム、またべつのときにはリハーサル会場、そしてご自宅のリビングルームとして毎日活躍中です。