マンション6階のピアノ教室の防音工事

防音工事の必要性

 今回ご紹介するお客様は中古マンションを購入してピアノ教室を開設します。ピアノ教室の場合は演奏している時間が長いこと、様々なレベルの演奏者が弾くこと、万が一、音のトラブルが発生してしまった場合に教室の存続にかかわってしまうことなどから、当初から防音工事を行う必要性があります。

 防音工事施工前の写真です。玄関近くの7畳のお部屋にヤマハC3を入れて演奏室にします。教室とプライベート空間を分ける意味でも玄関近くのお部屋が適しています。

解体工事

いつものように既存の床、天井、躯体側の壁を解体します。今回珍しいケースだったのは下の写真です。

この壁の中に・・・

 壁の中に給湯管やらガス管が隠れていました。給湯器やバスルームの位置から予想はしていたので、大きな問題にはなりませんでしたが、一部の壁は厚さを変更せざるを得なくなりました。年数が経ったマンションは図面がそろっていない場合も多く、解体してみないと分からないことがあるので注意が必要です。

配管に干渉しないように遮音壁の空気層を大きくとりました。

遮音性能保証

 playtoneではご契約書に遮音性能の保証値を明記しています。グランドピアノをマンションで演奏する場合、隣戸や上下階のお部屋に対してDr-65以上の遮音性能を保証しています。Dr-65以上の遮音性能であれば、直下階のお部屋でも「通常では聞こえない」レベルになりますので、安心して演奏することができます。

 隣戸や上下階のお部屋にお邪魔して遮音測定を行えるケースはそれほど多くないのですが、今回は下階の居住者様のご協力をいただけまして、完成後の遮音測定を行うことができました。

 上の図のように、下階同室の遮音測定結果は無事にDr-65の性能を確認することができました。限りなくDr-70に近いDr-65でしたので、安心して演奏を楽しんでいただけます。

完成お引き渡し

 薄いグレーの壁紙にオレンジの音響調整パネルがアクセントとなりお洒落なお部屋になりました。ウオールナットのフローリングは無垢ではないのですが、ツキ板という天然の木材を薄くスライスしたものを使った材料で見た目も美しく、肌触りも気持ちの良いフローリング材です。

 ヤマハC3が入りました。出入口はピアノ搬入のしやすさと遮音性能を考慮して2重の防音サッシにしています。これから家具が入り、カーテンが取り付けられて音の響きも整えられていきます。
 高い遮音性能と気持ちの良い響き、インテリアにもこだわった演奏室で、生徒さん達の演奏が上達するのを楽しみにしています!