注文住宅で作る
家を新築する時やマンションを購入することをきっかけに防音工事を検討されることが多いのですが、今回のお部屋も木造1戸建てを新築する際に防音室を施工いたしました。注文住宅を施工する工務店様からのご紹介で、ピアノ教室のための防音室を作りたいというご相談です。注文住宅で防音室を作るメリットを3つあげます。
①建物の設計時から防音室を検討できるので、防音室の用途によって、お部屋のレイアウトや広さを決められる。
②防音工事前提で建築を進めれるので、作業や材料の無駄が無い。
③建物建築の工程内で防音工事を施工できるので、日程が短縮できる。
今回は建築の打合せの度に防音室の打合せも並行して行い、生徒さんの導線や2台のピアノを入れるための広さや近隣の住宅に合わせた遮音性能の検討など時間をかけて進めることができました。
防振浮床
建物の建築が1枚目の写真や上記写真の状態になった頃に防音工事に入ります。大体建物のお引き渡しの2か月くらい前でしょうか。上の写真は防音室への出入口付近を撮ったものです。奥の廊下と手前の防音室との間に15cm程度の段差があります。ここに防振床を作ることによって廊下と防音室の床が同一になります。あらかじめ工務店さんに、この一段低い床を作ってもらうことで防音工事の施工が楽になります。
天井裏で邪魔するもの達
荷重の問題から防音室は1階に作らざるを得ません。するとリビングやキッチンは2階になることが多く、防音室の天井裏にはキッチン周りの排水管や給水管が通ることが多くなります。できる限り天井を高くしたい防音室ですが、天井裏に排水管がある時は苦労します。ここでも注文建築のメリットがあります。設計段階で排水管の高さや方向を検討することによって影響を最小限に抑えることができます。
完成、そしてピアノ搬入
約4週間の工事期間を経て防音室の完成です。床は無垢材を使っています。優しい肌触りと共に反射音を柔らかくしてくれる音響効果もあります。透明ガラス入りの防音ドアは枠と扉の色を変えたお洒落な色合いです。
壁の1面はブルーグレーのアクセントカラーに。隣戸が近い側の壁は遮音性能と採光を考慮して横長のFIX窓にいたしました。
ピアノはガレージ横の掃き出し窓からスムーズに搬入できます。グランドピアノとアップライトピアノが入りました。グランドピアノ2台の設置も可能です。最初のお打合せから1年以上かかりましたが、様々なお客様のご要望を取り入れた演奏室が完成いたしました。