新築工事に合わせてグランド2台のピアノ室を作りました。

 久しぶりのブログ更新です。今回は木造1戸建ての新築工事に合わせて2台のグランドピアノを入れる防音室のご紹介です。

今回の防音室のスペース的な条件

まずは完成後の写真から。ベヒシュタインとヤマハC3が並んでいます。この2台が並べられることと、プラスαで弦楽器、管楽器のスペースも欲しいというのが今回のスペース的な条件です。この後、現在はC3がカワイSK2へ変わっています。

建物の設計段階から防音工事の打合せをすることが大切

今回はハウスメーカーさんからのご紹介でしたので、建物の設計段階から間取りや基礎、梁などの構造部分のご相談もしながら進めることができました。

1階は演奏室とトイレ、ガレージのみです。防音工事前の面積は18.6㎡、約11.3畳です。玄関の広さを確保するために壁が斜めになっていますが、音の響き的には四角い部屋より音の拡散効果を期待できます。また、部屋のどこかに1m弱の構造壁を作らなけれならなかったのですが、建築側設計士さんとご相談でピアノの邪魔にならず音の障害が起きにくい位置に設置いたしました。後ほどご紹介しますが、この構造壁と外壁の間にはご主人様が自作の本棚を設置しています。

建物建築中の写真です。防音室の部屋だけ基礎を上げて作ってもらったので、防振浮床の施工が楽になりました。防振効果も上がります。サッシの左側には建物の制振装置が入っていますね。

打合せを重ねても解消できない事は色々あります。防音室の上の2階にはユニットバスがあります。給湯管、給水管、排水管などが防音室の天井裏に配管されますので、この対策も行います。今回は打合せの結果、排水管の取り回しや高さを配慮していただけました。なるべく水回りを避けたいところですが、やむを得ないケースが多々あります。こういった場合にも設計段階から関わることで、影響を最小限に抑えることができます。

仕上げ材や照明器具にもこだわったインテリア

防音室というと味気ない内装というイメージがあるかもしれませんが、playtoneの防音室は一般のお部屋と同様に様々なインテリア材料を使って仕上げることができます。

今回のお部屋は壁は薄いグレーの壁紙、フローリングは無垢材のカバサクラを使用しました。あえて窓は少なめですが、壁のブラケットライト、スポットライト、小型シーリングライトを組み合わせて、それぞれの系統で調色、調光ができるようになっています。

撮影時はベヒシュタインA160とヤマハC3でしたが、現在はC3がカワイSK2に変わっています。時計の掛かった構造壁の向こうにはご主人の製作した本棚とデスクが設置されています。

とてもDIYとは思えない出来ばえにびっくりです!音がこもりがちな場所に楽譜や本があることで、吸音効果も発揮しています。

お客様とハウスメーカー様とplay toneの3者によるコラボレーションで、高い遮音性能と響きの良さを兼ね備えた使い心地の良い演奏室が完成いたしました。ご興味のあるお客様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問合せください。