「弾く、学ぶ、寝る。ピアノの防音工事」

防音工事のタイミング

 防音工事を行うタイミングは様々なものがありますが、今回は小学生のR君がアップライトピアノからグランドピアノに替えるタイミングで施工となりました。
 実は半年以上前にお問い合わせをいただき、お送りいただいた間取り図から概算見積をご案内していたのですが、お客様のご都合で施工にはいたっておりませんでした。その後、隣接した居住者の方から音の指摘があったこともあり今回の防音工事を決断なさりました。

これまでは子供部屋にベッドとアップライトピアノを置いて演奏していました。


 本来は音の問題が発生してから防音工事を行うのではなく、新築やお引越しの場合は入居前に、また楽器を購入するのであればその前に防音施工するのが理想的です。そうすれば近隣居住者に気が付かれずに楽器演奏を楽しめる可能性が大きくなります。

防音室の見学

 初めて防音室を作るお客様は具体的なイメージを持ちにくいことが多くあります。「どれくらい聞こえなくなるの?」「どれくらい狭くなるの?」「音の響きはどうなるの?」等々。playtoneでは積極的に防音室の見学をお勧めしています。弊社で防音工事を施工したお客様で見学させていただけるお部屋がいくつもございます。
 今回のお客様もご家族全員で見学にいらしていただきました。なるべく似ている環境のお部屋にご案内して実際にピアノを弾いていただき遮音性能や音の響き、お部屋の雰囲気を実感していただくことができました。

とても小学生とは思えないタッチで素晴らしい演奏を聞かせてくれました。

  

防音工事スタート

  見学でplaytoneの防音工事をご納得いただきまして、無事にご契約、工事のスタートとなりました。

まずは床、壁、天井を解体していきます。
さてさて不思議な四角い穴が現れました!

 こちらのお部屋はマンションの1階なのですが、大きな床下収納があるのです。解体後の床下収納は何やら石棺のようにも見えますね・・・
 防音室の防振床に床下収納を作るのはかなり厄介な作業になりますので、今回は埋めることにいたします。砂利を入れてコンクリートを打ちたいところですが、一応マンションの躯体ですので、木下地を作り吸音材を詰めてふたをしました。

防振床

 マンションの防音工事の要となるのが床の防振です。楽器から伝わる振動(音)が建物躯体に伝わらないように音響建築用の防振ゴムを使って防振浮床を作ります。この防振ゴムは荷重がかかることによって防振性能を発揮しますので、個数や並べ方を計算して設置していきます。この防振ゴムの上に高さ約10cmの床を作っていきます。

オレンジの円形が防振ゴムです。周りに吸音材を敷いて、この上に約10cmの床を作ります。

 防振床の高さが約12cmになりますので、マンションによくある2重床の高さが12cm以上であれば、それを解体して防振床を作りますので、防音室の床も廊下や他のお部屋と同じ高さで仕上がります。
 浮構造の防音工事はかなり大がかりな作業となりますが、ここまでやらないとマンションでグランドピアノを気兼ねなく弾くことはできません。

完成

 解体から約3週間で完成です。完成後、遮音測定を行いご契約時に設定した遮音性能保証値を満たしていることを確認してお引き渡しとなります。

 いかがでしょうか? 「弾く、学ぶ、寝る」お部屋の完成です。
出入口はピアノやベッドの搬出入を考慮して2重防音サッシといたしました。木製防音ドアはウォークインクローゼットへの入口となります。ベッドが大きい吸音効果を発揮してくれるので、壁の吸音パネル等は設置していません。窓に設置した厚めの布シェードで響きを調整することができます。
 R君本人のチョイスで壁クロスは2面づつ色を変えています。1面だけアクセントクロスを使うのは一般的になっていますが、この2面づつというのもなかなか良いアイデアです。さすが若い人ならではの柔軟な発想ですね。
 「学ぶ」ためのデスクですが、今回はお客様のお知り合いの株式会社スパイム様に製作していただきました。弊社でもデスクや楽譜棚を製作いたしますのでご相談頂けますようお願い致します。
 お引き渡し後は音の問題も解決して、気兼ねなく練習をしていただいているとのこと。 また調律師さんにお部屋の音の響きの良さを褒めていただいたとのことで、作った我々も大変うれしく思っています。